大石 鉄太郎

核融合科学研究所 ヘリカル研究部
高密度プラズマ物理研究系 不純物輸送研究部門 助教


2016年10月、京都で開催された、第26回国際原子力機関核融合エネルギー会議(26th IAEA Fusion Energy Conference)での口頭発表とポスター発表


研究テーマ

核融合発電の実現を目指して,高温プラズマの性質を調べています.
うまくいけば,火力や原子力(核分裂)に替わる基幹エネルギー源が確保できます.


核融合とは?

軽い原子核どうしが互いに近接して融合し,より重い原子核に変換される反応です.
このときエネルギーが放出されるので,それを使って発電するのが目標です.


「プラズマ」を閉じ込めろ

物質は,温度が上がるにつれて固体→液体→気体と状態変化します.
さらに温度を上げると,結合していた原子核と電子がばらばらに分かれ,
高速度で運動を始めます.この状態が「プラズマ」です.
高速度の原子核どうしが衝突すると核融合反応が起こりやすいため,
プラズマを磁場などによってうまく閉じ込め,制御することが,
核融合研究のメインテーマの一つです.


もうちょっと細かい研究テーマ

大型ヘリカル装置LHDにおける分光計測を用いた不純物輸送現象の解明
核融合科学研究所のLHD(Large Helical Device)装置を使って実験します.
磁場で閉じ込めたプラズマの中には,プラズマの主成分(水素など)以外にも,
いろんな原子やイオン(炭素や金属など)が不純物として混入しています.
その量や種類によっては,プラズマの温度を下げてしまうことがあります.
そこで,不純物がプラズマ中にどのぐらい存在し,
どのようにプラズマに入ったり出たりするかを調べる必要があります.
私は,プラズマ中で不純物が発する光を計測する
「不純物分光」という手法でこれを調べようとしています。

さらにもうちょっとだけ詳しい紹介はこちら
光でわかるプラズマの振る舞い 〜真空紫外分光による不純物計測〜
(2014年8月 NIFSニュース2014年6・7月号「研究最前線」に掲載)
イオンの世界の「適材適所」 −プラズマ周辺部での不純物分光計測−
(2013年4月 核融合研ホームページ「研究活動状況」に掲載)



今までにやってきた研究テーマ

ヘリカルプラズマにおけるビーム放射分光法計測システムの構築
プラズマに「揺らぎ(揺動)」があると閉じ込め効率が悪くなることが知られています.
そこで前述のLHD装置と,以前核融合研にあったCHS(Compact Helical System)装置において,
局所的なプラズマ密度揺動の多点同時計測法である
「ビーム放射分光法(BES: Beam Emission Spectroscopy)」の計測システムを開発しました.
東京大学・名古屋大学との共同研究です.

3次元平衡・1次元輸送統合コードTOTALを用いた核融合プラズマの輸送シミュレーション
統合コードTOTAL(TOroidal Transport Analysis Linkage)を用いて,
炉心級プラズマの輸送現象を解析しました.
特に燃料供給の重水素/トリチウム比を制御した計算を行って,
トリチウム消費量を節約できる運転シナリオを提案しました.
名古屋大学との共同研究です.

トカマク・ヘリカル混成磁場配位装置TOKASTAR-2によるプラズマ閉じ込め実験
トカマク型とヘリカル型の両者の特徴を合わせ持つ新概念
「トカスター(TOKASTAR: Tokamak-stellarator hybrid)」型磁場配位を持つ装置
"TOKASTAR-2"を作成し,トカマクプラズマにヘリカル磁場を印加したときの
プラズマ閉じ込め性能の変化などを調べました.
名古屋大学との共同研究です.

核融合原型炉のコストモデルの比較検討
核融合実験炉ITERがフランスで建設中です.その後に来る開発段階は原型炉です.
国内外で提案されてきた核融合炉の経済性評価例及びその手法を調査し,
炉設計・コスト評価システムコードPEC (physics-engineering-cost)を使って
原型炉建設費の設計パラメータ依存性を計算しました.
日本原子力研究開発機構・名古屋大学・東京大学との共同研究です.


プロフィール
研究業績一覧
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